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無料利用枠を超過すると課金される
AWS(アマゾン ウェブ サービス)無料利用枠にはサービスごとに上限が設定されています。例えば、Amazon EC2は月750時間まで無料ですが、これを超えると通常料金が課金されます。
また、複数のインスタンスを起動すると利用時間が分散されるため、上限を超過しやすくなります。
- 具体例:t2.microインスタンスを2台起動すると、750時間は2台で分散され、月の途中で無料枠を超える可能性があります。
- 対策:AWSの請求ダッシュボードで利用状況を定期的に確認し、無料枠を超えそうな場合は不要なリソース停止または削除しましょう。
無料枠対象外のサービスを利用してしまう
AWSのサービス全てが無料利用枠に含まれているわけではありません。一部の機能や設定によっては、無料枠を利用しているつもりでも課金対象となるケースがあります。
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- 具体例:以下の表で主な例を確認してください。
課金ケース 詳細 例 無料枠対象外の
サービスを利用無料枠に含まれないサービスを利用すると課金される Amazon Aurora、Amazon Redshiftなど 特定の機能や
設定を利用サービス内でも特定の機能や設定は無料枠対象外 Amazon S3のGlacierクラス、
EC2のm5.largeインスタンスなどリージョンの違い リージョンによっては無料枠が適用されない場合がある AWS Lambdaの無料リクエスト数が一部リージョンで非適用 追加リソースの
利用無料枠に含まれるリソースを超えて利用すると課金される EC2で30GB以上のEBSボリュームを追加、CloudFrontで1TBを超えるデータ転送など 条件を満たさない設定 無料枠が適用される条件(メモリサイズや稼働時間など)を超える設定で利用すると課金される Lambdaで1GBを超えるメモリ割り当て -
- 対策:AWS公式サイトで無料枠の対象となるサービスや設定を事前に確認し、対象外のサービスを利用しないよう注意しましょう。
デフォルトリージョンの設定ミス
AWSでは、サービスを利用するリージョン(地理的エリア)によって料金が異なります。無料利用枠は一部リージョンでのみ適用される場合があり、別のリージョンでリソースを作成すると課金される可能性があります。
- 具体例:東京リージョン(ap-northeast-1)で無料枠対象のEC2を起動していれば無料ですが、北米のリージョン(us-west-2)で作成した場合、無料枠が適用されない場合があります。
- 対策:AWSマネジメントコンソールで、リソースを作成する際に正しいリージョンを選択しているか確認しましょう。
リソースの停止と削除の違い
AWSリソースを「停止」するだけでは課金が止まらない場合があります。特に、ストレージやパブリックIPアドレスは停止中でも料金が発生することがあります。
- 具体例:EC2インスタンスを停止しても、アタッチされたEBSボリュームやElastic IPアドレスはそのまま料金が発生する場合があります。
- 対策:利用を完全に終了する場合は、リソースを「削除」することを忘れないようにしましょう。
12ヶ月後の自動課金
AWS無料利用枠の一部は新規アカウント作成後12ヶ月間だけ利用可能です。この期間が終了すると、自動的に課金対象となるサービスもあります。
- 具体例:無料期間終了後もAmazon S3に保存したデータ(5GB以上)がある場合、ストレージ料金が課金されます。
- 対策:12ヶ月の期限を把握し、期限が近づいたら利用状況を見直してリソースを削除するか、有料プランへの切り替えを検討しましょう。
まとめ
AWS無料利用枠は便利な反面、利用方法を間違えると意図しない課金が発生することがあります。利用する際には、必ず無料枠の対象サービスや制限、リージョン設定を確認し、定期的に請求ダッシュボードで状況をチェックしましょう。また、アラートを活用して課金の心配を軽減するのも効果的です。
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- 株式会社フューチャースピリッツ:
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