株式会社 スカイアーク(以下、スカイアーク)様は、イノベーションを追求する企業であり、インターネット技術を活用してコミュニケーションのあり方を革新し、企業と人々の間の架け橋となることを目指しています。人々の生活を豊かにするソリューションを提供し、企業のコミュニケーション課題を解決することで、働く環境を改善し、エンゲージメントを高めることに尽力しています。
スカイアークの中核サービスである社内報サービス「SOLANOWA」は、社内報だけでなく、コミュニケーションツールとしても様々な機能を備え、社員同士の交流を促進し、企業文化を醸成するプラットフォームとして活用されています。
従来の紙面での社内報と比べ、SOLANOWAは情報拡散のスピードが格段に向上しました。アプリケーション・サイトを通じて配信することで、数分で全社員に情報を届けられるようになりました。
このサービスは、「みんなが会社のファンになる」という理念の下、社員が企業の価値観に共感し、モチベーションを高めて仕事に取り組めるよう支援します。SOLANOWAは社内コミュニケーションを促進し、企業文化を醸成することで、組織全体の士気を高めることに貢献しています。
2023年2月1日にはSOLANOWA V2をリリースし、誰でもログイン機能やVimeo動画の埋め込み機能などを使用できるようになり、お客様より高い評価を得ています。弊社はSOLANOWA V2のお客様が安全にサービスをご利用いただけるように、セキュリティ対策を支援しました。今回、執行役員 事務統括総活兼SOLANOWAの開発責任者の櫻井 喜幸様に、そのセキュリティ対策についてお伺いしてきました。
SOLANOWA V1からSOLANOWA V2の時代へ
――SOLANOWA V1と比べて、SOLANOWA V2を開発した際の特徴とお客様の反応を教えていただけますでしょうか?
櫻井「従来のSOLANOWA V1(以下、V1)はMovable Typeを利用したシングルテナント環境で開発したサービスです。SOLANOWAは社内報のサービスなので、社内の情報や社外秘の情報が多く登録されています。セキュリティ面でも他社と相乗りしてサーバーを利用するのではなく、単独サーバーを希望するお客様が多かったため、そのようなシステム構成を採用いたしました。そのため、お客様ごとに専用のサーバーやデータベースを提供しています。
しかし、V1を継続するのは、サーバーごとのメンテナンスや管理コストが課題でした。そこで、SOLANOWA V2(以下、V2)は複数のお客様が利用できるマルチテナント環境で開発しました。また、V2は、V1よりも情報公開が容易になっています。社内報なので、お客様は、社内報で情報を迅速に配信することを重視します。実際にお客様が記事を簡単に作成・公開できるよう、UI/UXにこだわりました。
V1は記事を自由に作れるのが売りでしたが、逆に記事を書く時間がかかってしまいます。見た目をきれいに作ることは大事かもしれないですが、社内報ではそれ以上に社員の皆さんに読んでもらう事が必要になります。
V2では、『公開したいタイミングを逃さないために、簡単にかけてすぐに公開できること』を意識しています。その結果、利用していただいているお客様には、記事作成画面がシンプルで書きやすいとフィードバックを頂いています。」
――V1のシングルテナントからV2のマルチテナントへの変更で、お客様から不満や不安はありましたでしょうか?
櫻井「不安な声もありました。しかし、V1リリースから5年が経過し、マルチテナントへの理解度が高まっていました。特に、クラウドサービスの普及が、認識の変化に大きな影響を与えたと思います。」
SOLANOWA V2のセキュリティ対策
――SOLANOWAはお客様に選ばれる理由としても堅牢なセキュリティを挙げられるほどにセキュリティ面で優れていると思いますが、V2のセキュリティ対策をお伺いしたいです。
櫻井「基本的に、WAF(Web Application Firewall)は設置する想定をしていました。しかし、WAFはOSI基本参照モデルのアプリケーション層の攻撃しか対応できないこともあり、その課題を解決できるものが必要でした。
前述の通り、SOLANOWAのお客様は他社とサーバーを共有したくない、会社の情報は外に見せたくないと言うほどにセキュリティの要望が高いサービスです。そのため、もっと低レイヤー(OSI基本参照モデルのネットワーク層)であるネットワークに近いセキュリティ対策が必要だと思いました。そこで、可能な限り最適で最高レベルのセキュリティ対策ができるAWS Network Firewallを設置することにしました。」
――AWS Network Firewallを使用することで懸念点などはなかったでしょうか?
櫻井「今までAWS Network Firewallは使ったことがなかったので、検証や設置に時間が掛かるのではないかと思いました。また、設定がきちんとできるかなどの心配もありましたね。そういう懸念点を解決するために、フューチャースピリッツさんにご協力をいただくようにしました。おかげさまで、設置から設定、検証まで上手く進めることができました。」
――実際にAWS Network Firewallを構築した結果はいかがでしたか?
櫻井「想定した通りに、いいセキュリティ環境の構築ができました。」
――AWS Network Firewallを構築した上で、期待できる効果や既にいいと感じたところはありますでしょうか?
櫻井「SOLANOWAの導入を検討している方々からセキュリティレベルを満たしているか確認の連絡が多数きますが、お客様の基準を満たしてなかったことは今まで一度もなかったので、AWS Network Firewallを利用した効果だと思います。
また、セキュリティなので、何も起きないことが一番ですね(笑)今後もより強固で、情報保護レベルの高いセキュリティ対策を実現していきたいです。」
フューチャースピリッツとのコミュニケーション
――フューチャースピリッツへのご意見やご要望があれば、お願いします。
櫻井「V2の開発において、私たちはこれまで経験したことのない挑戦に挑みました。チャレンジをすると、何から始めればいいか分からないこともあります。そのような時に、フューチャースピリッツさんに気軽に相談することができて、心強かったです。例えば、経験不足の分野で設計書や予見書の作成を求められると、具体的な手順が分からず立ち止まってしまうことがあります。フューチャースピリッツさんは、一方的な指示ではなく、私たちと共に制作過程を歩み、密接なコミュニケーションを図ってくれました。制作過程におけるリスクを丁寧に説明し、私たちが見落としていた点も積極的に提案してくれる、まさに良きパートナーとして寄り添ってくれました。常に伴走してくれる存在で、感謝しています。
今後も、相変わらず密度が高いコミュニケーションをしていただけましたらと思います。V2は、セキュリティ面において考えられるあらゆる対策を講じ、堅牢なセキュリティ体制を構築しています。しかし、インフラの環境は動いていると安心しがちです。すでに上手く稼働している環境についても、常に最新の情報やサービスをウォッチし、必要に応じて適用を提案していくような、積極的なコミュニケーションを期待しています。」
SOLANOWAが目指す会社文化
――今後のSOLANOWAは具体的にどのように進化させていく予定ですか。
櫻井「スカイアークのビジョンは『“はたらき”から、笑顔を』です。SOLANOWAは、働く全ての人がわくわく働くことを実現するサービスを目指しています。わくわく働くためには、『会社の構成員全員が一緒に働いている感覚』と『皆が会社の方向性を理解していること』が必要だと思います。SOLANOWAは、機能を作るだけでなく、社内報の作成者など、あらゆるお客様に寄り添い、伴走するサービスを提供することで、これらの実現に貢献したいと考えています。
まだ具体的には言えませんが、現在SOLANOWAは大きな機能の開発を行っています。この機能がリリースされるとお客様の悩みの解決に繋がり、お客様の健康な会社文化作りに貢献できるサービスになったらと思います。」
――今後もSOLANOWAと一緒に日本の社会文化に貢献できたらと思います。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました!
会社名 | 株式会社スカイアーク |
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URL | https://www.skyarc.co.jp/ |