Amazon Qは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)が2023年末のAWS re:Invent 2023にて発表した新しいAIサービスです。今回はAmazon Qがどのようなサービスなのか、特徴なども踏まえながらざっくり解説します。
Amazon Qとは?
Amazon Qとは、AWSが提供するAIアシスタントで、特に企業向けに設計されたサービスです。AIアシスタントであるため、ChatGPTのようにチャット形式で質問をするとそれに対する回答が返ってくるサービスです。
Amazon Qはただ質問に対して回答するだけでなく、企業が保有している様々なデータを活用して回答してくれるため、業務の効率化や課題解決などが期待できます。
実際の活用例としては、先月のAmazon EC2の利用料について質問すると、Amazon Qがデータを確認し利用料の金額を回答してくれます。このように対話型で質問や依頼に回答してくれるAIアシスタントになります。
Amazon Qの特徴
Amazon Qの特徴として、セキュリティとアプリケーション作成が挙げられます。
それぞれについて詳しく解説します。
1.セキュリティ
AIを企業で導入する上で必ず課題となるのが、セキュリティ対策やプライバシー保護です。企業は機密情報などを取り扱うため、厳重な対策が求められます。Amazon Qは、企業向けに設計されているので、これらの課題をクリアできるように設計されています。
例えば、機密情報を含むデータが誰もがアクセスできる状態を作らないために、ユーザーごとにデータのアクセスを制限することが可能になっています。これによりデータの機密性を確保できます。またAWS PrivateLinkを使用することでインターネットに公開することなくAmazon VPC環境で Amazon Qにアクセスできます。
2.アプリケーション作成
Amazon Q Businessの機能であるAmazon Q Appsを利用することで、簡単にアプリケーションを作成することができます。例えば、ある商品のマーケティング担当者がAmazon Qに対してカスタマーストーリーの作成を依頼すると、Amazon Qが自動で作成を行ってくれます。このように、質問に対して文章で回答するだけでなく、アプリケーションの作成まで行えるのも特徴の1つです。
Amazon Qが対応していること
・対応言語
リリース時点(2023年末)で対応言語は、英語版のみでした。ただ、2024年6月に開催されたAWS Summit Japan 2024にて、2024年中に東京リージョンでAmazon Q Businessの日本語版が提供開始されることが発表されました。そのため、日本語での利用はもうしばらく待つ必要があります。
・プラグイン
Amazon Q Businessは、Jira、ServiceNow、Salesforce、Zendeskなどのサードパーティーアプリケーションに対応しています。
・ファイルタイプ
Amazon Q Businessは、PDF、CSV、DOCX、HTML、JSON、PPTなど企業でよく使われる一般的なファイル形式に対応しています。そのため、これらのファイルをインポートして、分析や回答を行うことができます。
まとめ
Amazon Qは、AWSが提供するAIアシスタントで、特に企業向けに設計されたサービスです。企業向けのためセキュリティ対策が強化されており、機密情報の保護が可能である点が特徴です。また、Amazon Q Appsを使用して簡単にアプリケーションを作成できる機能も提供されています。リリース時点(2023年末)では英語のみに対応していますが、2024年中にAmazon Q Businessの日本語版を東京リージョンで提供開始することが発表されています。今後、AIのトレンドが続く中で、Amazon Qは業務の効率化や課題解決に大いに役立つツールとなるでしょう。日本語版がリリースされた際には、ぜひ活用してみてください。