最近よく耳にするようになった生成AIサービス。有名なものだと、ChatGPT、Gemini、Microsoft 365 Copilotなど様々な企業からサービスが展開されています。
そのような中、クラウドコンピューティングサービスで有名なアマゾン ウェブ サービス(AWS)も生成AIサービスを2023年9月にリリースしています。今回はその生成AIサービスであるAmazon Bedrockについて、どのようなサービスなのか、特徴やメリットを踏まえながら詳しく解説します。
Amazon Bedrockとは?
Amazon BedrockはAWSが提供する生成AIサービスで、生成AIの基盤モデルをAPI経由で利用することで、簡単に生成AIアプリケーションを構築できるサービスです。
基盤モデルを自分で選択することができ、Amazonが提供する基盤モデルであるAmazon Titanはもちろん、Metaが提供しているLlamaなどにも対応しています。
また基盤モデルの種類も以下のように豊富なため、自分が実装したい生成AIアプリケーションに適した基盤モデルを選び、利用することができます。
モデル名 | 入力データ | 出力データ |
---|---|---|
テキストモデル | テキスト | テキスト |
テキスト&ビジョンモデル | 画像とテキスト | テキスト |
画像モデル | テキスト | 画像 |
埋め込みモデル | 画像かテキスト | 数値表現に変換 |
Amazon Bedrockの特徴
1.インフラ管理が不要
Amazon Bedrockの特徴1つ目はインフラ管理が不要である点です。
Amazon BedrockはAPIを経由して様々な基盤モデルにアクセスできるので、サーバーレスでインフラの管理が不要です。そのため、ユーザーはアプリケーションなどの実装に集中することができます。
2.セキュアな利用環境
Amazon Bedrockの特徴2つ目はセキュアな利用環境が整っているという点です。
生成AIサービスを利用する上で必ず課題になるのがセキュリティや利用ユーザーのデータの取り扱いです。
まずAmazon Bedrockでは利用ユーザーのデータが、モデルの学習やAWSなどのモデルプロバイダーに共有されることはありません。入出力されたデータを人間がレビュー(検閲)することも一切ありません。
また、利用ユーザーのデータは指定したリージョン内に留まります。そのため、海外にデータを持ち出すことが許可されていない場合でも、東京リージョンを指定することで国内にデータを留めることができます。
さらに利用ユーザーのデータは転送中でも保管中でもすべて暗号化されているので、セキュアに利用することができます。
3.AWSサービスとの連携
Amazon Bedrockの特徴3つ目はAWSのその他のサービスとの連携ができる点です。
Amazon BedrockはAWSのサービスのため、AWS Lambdaなどと組み合わせてチャットボットを作成する、Amazon S3を利用してデータを、モデルに供給することもできます。
Amazon Bedrockでできること
Amazon Bedrockを利用することで幅広いAIアプリケーションを構築することができます。
例としては、チャットボット、バーチャルアシスタント、テキスト要約、コンテンツ制作、コード生成などがあります。具体的には、自然言語処理モデルを利用してカスタマーサポートの自動応答システムを構築する、画像生成モデルを利用して広告バナーなどのコンテンツを自動生成するなど様々です。
まとめ
Amazon Bedrockは、AWSが提供する生成AIサービスで、生成AIの基盤モデルをAPI経由で利用することで、簡単に生成AIアプリケーションを構築できるサービスとご紹介しました。特徴としてはインフラ管理の負担軽減、セキュアなデータ取り扱い、AWSの豊富なサービスと連携できる点があげられます。
Amazon Bedrockを利用することで、チャットボットやバーチャルアシスタント、テキスト要約、コンテンツ制作、コード生成などのAIアプリケーションを構築することができます。まだ利用されていない方は、ぜひAWS公式ページなどを参考に利用してみてください。