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2024.11.20

さくらのクラウド

さくらのクラウド活用入門(上・概論)

クラウドインテグレーション事業本部の神戸です。
本日、フューチャースピリッツは、国産クラウド、だから安心。フューチャースピリッツ、「さくらのクラウド」構築・運用パックをリリースしました。

さくらのクラウドPR画像 さくらのクラウドリンク

今後、フューチャースピリッツでは、さくらインターネット株式会社が提供するパブリッククラウド「さくらのクラウド」をより便利に活用するためのご支援をさせていただきます。

ついては、記念すべきリリース配信日より3回に分けて、「さくらのクラウドを使うとどんなことができるの?」をまとめた記事を公開します。

まず今回は、ウェブサイトのインフラを用意する際の流れを、さくらのクラウドを中心にまとめます。次回は、ある意味最も気になるところ、「結局、どのクラウドサービスを使うべきか?」についての検討上のヒントをご提示します。第3回として、さらに気になる「費用についての基本的な考え方」を説明します。

さくらのクラウドとは?

ウェブサイトやシステムのインフラとして、クラウドには多彩な活用法があります。一方で、効果的に運用するためにはインフラエンジニアの知見が不可欠です。フューチャースピリッツは、1996年の創業以来培ってきたホスティングサーバーやAWSの構築、運用のノウハウを生かし、さくらのクラウドを通じてお客様が事業成長を果たしていくための手伝いを今後させていただきます。

ところで、さくらのクラウドで何が実現できるのか、よくわからない方も多いのではないでしょうか。
同じガバメントクラウドの中でも、アマゾン ウェブ サービス(AWS)Google CloudMicrosoft AzureOracle Cloudと比べて、パブリッククラウドとしてのさくらのクラウドの実力は相対的に知名度が低いかもしれません。言い方を変えると、ホスティングサーバーとしてのさくらのVPS等が国内で高い知名度と支持を得ているのに対して、「クラウド」からさくらのクラウドを連想する人は、AWSを連想する方よりまだ少ないのではないでしょうか。

2011年11月※、さくらのクラウドはサービスが開始されました。今年で13年目、干支が一回りするだけの時間運営されてきたわけです。サービスイン以降順調に顧客を増やしている旨IR情報で配信されていましたが、世間の耳目を強く引いたのは、やはり2023年にガバメントクラウドとして選定されたことでしょう(厳密には、2025年度末までに全ての技術要件を達成することを条件とした選定)。このビッグニュース以来、さくらのクラウドに対して一気に注目が集まりました。

2011年11月15日に「さくらのクラウド」提供開始

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さくらのクラウドを用いたインフラ構成とは?

もちろん、さくらのクラウドは公共部門向けのみのサービスではありません。他のパブリッククラウドと同様、様々なサービスを組み合わせてインフラストラクチャーを構成し、ウェブサイトやシステムの基盤を作るためのサービスの集合体です。
さくらのクラウドの製品一覧に、さくらのクラウドを構成するサービスが網羅されています。
ネットワーク構成の全てをさくらのクラウドだけで作る必要はなく、他社のCDNやストレージ等を組み込むこともできます。

さくらのクラウド構成図例

ある提案で用いた構成図の抜粋です。

AWS等と同様、コンピューティング、データベース、CDNといった要素を組み合わせ、ウェブサイトやシステムが動作するための環境を構築します。ネットワークの基礎となる知識はほぼ共通しているので、AWSやホスティングサーバーを利用した経験のある方は、それほど身構えずともさくらのクラウドの世界に入っていけると思います。

もっとも、サーバー1台だけの利用であれば、さくらのVPSや当社のフューチャーウェブVPSでも十分かもしれません。実際、サーバー1台で作る方が費用対効果に優れたユースケースもあります。そうしたシンプルな構成で必要要件を満たせない場合に、さくらのクラウドで構築したネットワークを活用することで、より効果的に問題を解決できます。

たとえば、

  • 複数のウェブサーバーを配置し、トラフィックの変動に応じてオートスケーリングを実施したい。
  • CDNとWAFを配置し、セキュリティを強化したい。
  • 時間課金でGPUコンピューティングを使いたい。

といった要件を満たしたい時に、さくらのクラウドの利用をご提案します。

いずれも、クラウドを利用しないと絶対に対処できない機能ではありません。しかし、クラウドの強みであるスケーラビリティ(拡張性)とエラスティシティ(弾力性)を生かすことで、費用対効果の高いインフラ構築・運用を実現できます。

どうやって最適な構成を考えていくか?

「お客様にとってベストなクラウドインフラ」とは何か、お客様と一緒に考えるときこそ、フューチャースピリッツの経験と知見が最も生かされるときだと思っています。
提案から提供までの基本的なプロセスは、他のクラウドサービスを提供する時とそれほど変わりません。およそ5つの段階を経て、お客様のウェブサイトやシステムを支えるインフラ環境のデリバリーを完了します。

プロセス アクション
1.ヒアリング お客様の要件をお聞きし、構成を作るための情報を収集します。この段階で、利用するパブリッククラウドを選定します。また、なるべく制作会社や開発会社とコミュニケーションを取り、インフラとアプリケーションの間で要求の齟齬が生じないよう取り組みます。
2.構成・見積提案 構成図、見積書、利用料シミュレーションを提案します。
3.構築 お申し込みいただいた後、環境構築に着手します。この段階になって判明する細かな要求事項も少なくないため、お客様や制作会社と連携しながら作業を行います。
4.納品・検収 納品書、パラメータシート等を納品します。実際のインフラ環境をお客様にご利用いただき、調整事項に対応します。
5.運用・監視・保守 監視や保守を開始するタイミングはお客様の状況次第ですが、一般的にはウェブサイトの一般公開時点よりスタートすることが多いです。フューチャースピリッツでは、24時間365日の監視サービスを通じて、お客様のウェブサイトが常時正常稼働することを見守っています。

 

さくらのクラウド対応範囲

当社がお客様のご支援をしながら利用いただく場合にどういう領域の運用をサポートさせていただくのか、簡易的にまとめたのが上の図です。

全体的なプロセスは、さくらのクラウドでもAWSでもあまり違いはありません。しかし、最初のヒアリングを踏まえて「どのクラウドサービスを使うのか」を決めることは、インフラ目線では最も難しく最も重要なプロセスです。

パブリッククラウドを選ぶ際、お客様、インフラ担当、開発担当は、それぞれ異なる観点を持ちます。それらから総合的な見地でインフラを決めることになります。ややステレオタイプ的ですが、各ステークホルダーの代表的な視点を箇条書きしてみました。

お客様観点
  • コストパフォーマンスを最大化したい
  • 予算の見通しをはっきり立てたい
インフラ会社観点
  • 技術文書やサポートの手厚いサービスを使いたい
  • セキュリティをきっちり整えたい
制作・開発会社観点
  • お客様の要望を実現するソフトウェアを作るために最も便利な開発環境がほしい
  • 扱いなれている環境を使いたい

パブリッククラウドにもホスティングサーバーにも、それぞれ長所と短所があります。それらを比較検討しながら「落としどころ」を探るわけですが、では、さくらのクラウドの長所とは何でしょうか。競合サービスより秀でている要素、逆に競合サービスに一日の長がある要素はどういう点でしょうか。

そういったポイントを、次回解説させていただきます。

関連記事

フューチャーメディア:
さくらのクラウド活用入門(中・パブリッククラウド選定のポイント)
さくらのクラウド活用入門(下・費用に関するまとめ)

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